



写真家・ 題府基之の写真集。
一人の女性がキッチンで玉ネギの皮をむく写真がひたすら続く――。あまりに日常的な、それでいてこの上なく非日常性を孕む光景。収録されているのは、フィルム1本分全35カット。
1枚の写真にその人物を象徴する瞬間がとらえれているのがポートレイト写真だとすれば、『Holy Onion』は、既成のポートレイト写真への問いかけであるのかもしれない。
「1枚で見せるポートレイトってことじゃなくて、35枚全部で一つのポートレイト。今回たまたま35枚でしたが、5枚でも10枚でも1枚じゃないポートレイトに最近興味がある」と題府は語る。
200 x 140 mm、164ページ、ハードカバー、蛇腹製本
エッセイ:クリス・フジワラ「外皮、アジャンスマン、散乱」収録冊子付
ブックデザイン: 服部一成