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文筆家・大竹昭子さんが刊行するカタリココ文庫。ゲストを迎える対談シリーズ、今回は歌手の中村佳穂さん。
(以下、プレスリリースより)
中村と大竹がはじめて顔を合わせたのは、2022年2月の中村佳穂ソロライブ「うたのげんざいち2022 in 東京国際フォーラム ホールA」のパンフレットのための対談でした。カタリココ文庫0号の大竹と福田尚代の対話に衝撃を受けた中村は、対談の相手に大竹を指名します。大竹はそれまで中村のことを知りませんでしたが、音楽を聴いて興味を抱き、対談が実現、意気投合したふたりは引き続き対話を重ねました。
本書は、出会ってから2024年3月までに交わされた言葉の記録です。
ジャンルも世代も異なるふたりですが、共通するのは「空間」への関心です。ライブの際には必ず会場の下見を行うと中村が述べると、確かにあなたの音楽には空間を感じる、と大竹が応答、そこからさまざまなトピックが引き出されていきます。
油絵を描いていた中村が自分の軸は音楽にあると認識する10代のこと、日本語でポップスを作り、歌うことの難しさ、「音楽は自己表現ではない」という言葉の意味……。
中村によれば、これほど深く自分のことを語ったのははじめてだそうで、時間をかけて言葉を重ねたことが伝わってくる、小さいながらも希有な一冊になりました。
中村は2024年に事務所から独立し、新たな場所で活動をはじめました。それは音楽の質を保ち、自分自身が楽しんで歌える環境をつくるための選択でした。
中村佳穂ファンはもちろんのこと、いまの時代をどう生きるかという難問に直面しているあらゆる人々にとって、励ましの書となるでしょう!
文庫サイズ 80ページ